長くなってしまったので、前後に分けたバトン回答です。
長すぎました。前後編のはずが、前後後編になってしまいました。
あぁでもノンナル楽しいっスvv
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〓【同棲バトン】〓(お話調で)
続き。
◆呑田さんが酒に酔ってしまいました。貴方に甘えています。どうする?
「で、理由は?」
唐突な言葉の意味が分からなくて、はい?と首をかしげる。呑田さんの手には、ビール。僕の手には、グレープジュース。飲み干した缶がキッチンのシンク横に溜まっていく間の会話は大学のことだけだったのに、呑田さんはいきなりそう言って僕の顔をのぞきこんだ。
「理由は理由だろ。俺に言えねぇのかよ」
「だ、から、何の理由?」
呑田さんの呼気はひどくアルコールくさくて、僕はそれだけで酔ってしまいそうになる。
「変な男に追い回されている。しばらくかくまってほしいっつったのはアンタの方だろう。追い回されるようになった理由だよ、理由」
「……ハムレットのファンなんだって。こないだの僕のお芝居見て、好きになっちゃったって」
「あぁ、あれは男前だったな、龍一。To be or not to be、だったっけ。いいセリフだよな」
呑田さんは隣に座る僕の肩を抱いて、もたれかかるようにして全身を預ける。
「警察には言ってあるんだろう、まぁ男のアンタが被害者じゃストーカーとして認識されねぇんだろうがな。もしもの時は俺に言えよ、今みたくかくまってやるからな」
うっすらと潤んだ目。赤くなった唇。かっこいい人だとは知っていたけど、でも濃密に漂う空気にざわりと肌が震える。
「呑田さん……酔っぱらいだ」
「酔っぱらいで何が悪い。いいか、俺は酔ってなくても言えるぞ、龍一を守ってみせるってな」
強く言い切ると、呑田さんは肩に置いた手に力を込めて、ぐいと僕を自分の胸に引き寄せた。
「そのストーカー野郎からも、アイツからも、な」
アイツ、というのが誰を指すのか分からなかったけれど、呑田さんの胸はふんわりと優しくて。
酔っぱらいの意味不明な言動に突っ込まず、僕はくすくすと笑って背中に腕を回した。
◆一緒に寝ようと呑田さんに言われました。どうする?
変な夢を見た。呑田さんがいなくなってしまう、夢。僕はあるじのいなくなったこの部屋で、空色のクッションを抱きしめて泣くのだ。
「変なの。青いクッションなんて、ないのに」
リビングでコップいっぱいの水を飲んでいたら、龍一、と寝室から呼ぶ声が聞こえた。
「ごめんね、起こしちゃった?」
ドア越しにそっと声をかける。もしかしたらこないだの膝枕の時みたく、寝言かもしれないから、小さな小さな、聞こえるかぎりぎりの音量で。
「入ってこいよ、龍一」
お邪魔します、とドアを開けて中に入る。ベッドヘッドに置いたライトがぼんやりと室内を照らしていて。少し寝乱れた様子の呑田さんが上半身を起こしているのがよく見えた。
「眠れねぇのか」
「う、ん。ちょっと、怖い夢見ちゃった」
そうか、と返して、呑田さんは枕に頭を乗せた。僕も寝ようと思ってきびすを返そうとすると、龍一、ともう一度呼ばれた。
「一緒に寝るぞ」
もぞもぞと右半分に寄って、場所を空けてくれる。そうして、お布団をめくって誘われちゃったら、僕には断ることなんて出来なかった。
「おやすみなさい」
呑田さんの体温でぬくもったお布団は幸せの匂いがした。毛布も布団も優しくて、この中にくるまっていると、悪夢なんて裸足で逃げ出しちゃうだろうと思った。
「ん。いい夢見ろよ」
短い返答のあとは、長い静寂。夜の大気は冷たくて、でも、ここはとても温かくて。
呑田さんがとても好きなのだと改めて認識して。
この人のそばにずっといたいと。
息がとまりそうなほど、強く、願った。
◆そんな呑田さんに一言。
呑田さんにというか、ノンナルに一言。
もうすっごい好きですv 質問の一つ一つに、ナル視点で色々書いちゃったわけなんですけど。
自分かなりノンナル好きなんだなーと改めて実感。
というか、調子に乗りすぎだよ私。今日一日休みとはいえ、ずーっとコレ妄想してたね。
ここまでお付き合い下さいましてありがとうございました!
これで一人でも多くのノンナル好きーさまが増えればいいなぁ…vv
また、最後になりましたが、呑田菊三でこちらのバトンを回して下さいました加賀美さま、naoさま、ありがとうございました!
これからもどうぞよろしくお願いいたしますvv
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